このページでASDの診断や除外はできません。成人の「回避型愛着」は研究上の傾向を表す言葉で、医学的診断名ではありません。本人や家族を行動の印象だけで分類しないでください。
人付き合いを避ける、気持ちを言葉にしにくい、予定変更が負担になる、といった一部の行動は複数の理由で起こります。単独の特徴やオンライン診断で、ASDと愛着傾向を見分けることはできません。
ASDと成人の愛着スタイルは別の枠組み
ASDは、社会的コミュニケーション・相互作用の持続的な特徴と、限定的・反復的な行動や興味などを、幼少期からの発達歴と現在の生活への影響を含めて評価する神経発達症です。診断基準の概要は米国CDCの医療者向け解説で確認できます。
成人の愛着スタイルは、親密な関係での不安や回避などを扱う心理学研究の枠組みです。測定方法には複数の尺度があり、一つの正解や診断境界があるわけではありません(成人愛着尺度のレビュー)。
行動が似て見えても、理由は特定できない
- 視線、会話量、連絡頻度だけでASDか愛着傾向かを判定できません。
- 社交不安、抑うつ、トラウマ反応、感覚過敏、疲労などでも似た困りごとが生じます。
- ASDと不安・抑うつ等が併存することもあり、どちらか一方に決める二択ではありません。
- 成人の愛着スタイルは、小児期に診断される反応性愛着障害・脱抑制型対人交流症とも別です。
成人ASDの評価で確認されること
NICE成人ASDガイドラインでは、訓練を受けた専門職が、幼少期からの特徴、家庭・学校・仕事など複数場面での様子、感覚特性、併存する心身の状態、本人の生活上の困難を含めて包括的に評価するよう勧めています。可能で本人が同意する場合は、家族からの情報や学校記録などが参考になることもあります。
質問票は相談のきっかけにはなりますが、それだけで診断は確定しません。過去の発達と現在の困りごとを時系列でメモして受診すると伝えやすくなります。
相談を検討する目安
特性の名前を決めることより、仕事・学業・家事・人間関係・睡眠などへの支障を確認することが大切です。長く続く困難がある場合は、発達障害者支援センター、自治体の保健センター、発達評価に対応する医療機関へ相談できます。
全国の発達障害者支援センターは国立障害者リハビリテーションセンターの一覧から確認できます。緊急の安全問題や強い希死念慮がある場合は、発達相談を待たず119番等へ連絡してください。
※一般的な情報提供を目的としています。診断や支援の選択は、本人の希望と個別状況を踏まえて専門職と相談してください。