MBTIと愛着スタイルは、本来まったく別の話です。MBTIは「ものの受け取り方・決め方の癖」を、愛着スタイルは「近づかれたときと離れられたときの反応」を扱います。理屈のうえでは、どう組み合わさっても不思議ではありません。
ところが27,909件を集計してみると、そうではありませんでした。4本ある軸のうち、愛着スタイルと結びついていたのは内向・外向の1本だけです。しかも、その結びつき方が想像よりずっと極端でした。

先に結論
- 内向型(I)の8タイプは、8つとも恐れ回避型が最多だった
- 外向型(E)の8タイプは、8つとも安定型が最多だった
- 恐れ回避率は内向47.9%に対し外向18.3%。差は29.6ポイント(約2.6倍)
- 残る3軸(N/S・T/F・J/P)の差は最大でも9.1ポイント。桁がひとつ違う
- ただしこれは「内向型は恋愛に向かない」という話ではない。理由は後半で書く
MBTI4軸のうち、愛着に効いていたのはどれか
まず、4本の軸それぞれで恐れ回避型の割合を出しました(母数は各軸で2,100〜6,600件)。愛着スタイルと関係がない軸なら、左右の数字はほぼ同じになるはずです。
| 軸 | 恐れ回避型 | 安定型 |
|---|---|---|
| 内向 I | 47.9% | 23.2% |
| 外向 E | 18.3% | 50.9% |
| 判断 J | 45.3% | 26.2% |
| 知覚 P | 36.2% | 33.7% |
| 直観 N | 42.6% | 28.6% |
| 感覚 S | 37.7% | 32.2% |
| 感情 F | 41.6% | 30.7% |
| 思考 T | 38.5% | 29.0% |
内向・外向だけが29.6ポイント。ほかは最大でも9.1ポイントで、これは母数を考えれば誤差に近い幅です。「愛着スタイルに関係しているのは、この1本だけ」と言い切ってよい差が出ています。
意外だったのはT/F(思考/感情)です。感情型のほうが揺れやすいと思われがちですが、実測ではほとんど動きませんでした。感情の強さと、関係が揺れたときの反応は別物だということです。
内向型8タイプ — 全部が恐れ回避型で最多
次に、16タイプそれぞれの内訳です。まず内向(I)から、恐れ回避型の割合が高い順に並べます。
| MBTI | 回答数 | 安定 | 不安 | 回避 | 恐れ回避 | 最多 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| INFJ | 4,271件 | 19.0 | 15.4 | 8.9 | 56.7 | 恐れ回避 |
| ISFJ | 2,696件 | 23.5 | 17.4 | 10.0 | 49.1 | 恐れ回避 |
| INTJ | 1,608件 | 19.5 | 6.2 | 26.3 | 48.0 | 恐れ回避 |
| INFP | 4,591件 | 24.7 | 18.6 | 9.0 | 47.6 | 恐れ回避 |
| ISTJ | 2,114件 | 22.5 | 6.8 | 23.3 | 47.4 | 恐れ回避 |
| INTP | 1,670件 | 23.3 | 7.4 | 24.8 | 44.5 | 恐れ回避 |
| ISFP | 2,229件 | 29.1 | 17.2 | 11.8 | 41.8 | 恐れ回避 |
| ISTP | 1,774件 | 25.4 | 6.9 | 30.2 | 37.5 | 恐れ回避 |
いちばん高いのはINFJの56.7%。いちばん低いISTPでも37.5%あり、8タイプすべてで恐れ回避型が最多でした。
恐れ回避型は「近づきたいのに、近づかれると引く」タイプです。相手を求める気持ちと、それを見せることへの怖さが同時にあります。詳しくは恐れ回避型の恋愛にまとめています。

外向型8タイプ — 全部が安定型で最多
同じ集計を外向(E)でやると、絵が入れ替わります。
| MBTI | 回答数 | 安定 | 不安 | 回避 | 恐れ回避 | 最多 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ESFP | 915件 | 58.5 | 20.7 | 5.2 | 15.6 | 安定 |
| ESTP | 653件 | 55.7 | 7.8 | 20.8 | 15.6 | 安定 |
| ENFP | 2,116件 | 51.3 | 25.4 | 5.0 | 18.3 | 安定 |
| ESFJ | 773件 | 51.1 | 27.6 | 4.8 | 16.6 | 安定 |
| ESTJ | 525件 | 49.5 | 12.2 | 18.7 | 19.6 | 安定 |
| ENTP | 646件 | 47.7 | 9.4 | 23.7 | 19.2 | 安定 |
| ENFJ | 980件 | 45.8 | 29.1 | 4.5 | 20.6 | 安定 |
| ENTJ | 348件 | 42.2 | 13.5 | 20.7 | 23.6 | 安定 |
安定型の割合はESFPの58.5%が最高、いちばん低いENTJでも42.2%です。
ここで気をつけたいのは、外向型が「愛されて育った」わけでも「恋愛がうまい」わけでもないという点です。安定型に分類されるのは、不安と回避の両方が低い人です。つまり、相手の反応をいちいち重く受け取らず、近づかれても身構えないという状態を指します。
外向型はもともと、人と関わることでエネルギーが戻る性質を持っています。関わりの回数が多ければ、一つひとつの関わりが重くなりません。1回の返信が遅いことに意味を見出さずに済むのは、他にも接点があるからです。愛着の安定は、性格の良さではなく接点の量から生まれている面があります。
なぜ内向・外向だけが効くのか
4軸のうち1本だけが突出したのには、理由が考えられます。
① 内向・外向だけが「接点の量」を決めているから
N/S・T/F・J/Pは、情報の受け取り方や決め方の癖です。人と会う回数そのものは変えません。ところが内向・外向は、関わる相手の数と頻度を直接動かします。
接点が少ないと、1つの関係の重みが上がります。重みが上がった関係は、失うことへの怖さも上がります。怖さが上がると、近づくことにも離れることにも慎重になる。恐れ回避型の成り立ちそのものです。
② 内向型は「確かめる機会」が少ないから
愛着が安定する条件は、求めたら返ってきたという経験の反復です。内向型は求める回数自体が少ないため、返ってきた経験も溜まりにくい。悪い予想が更新されないまま残ります。
なお、当サイトの診断では回答者の6割が直観型(N)です。予想を頭の中で膨らませやすい認知の癖が、この更新されなさをさらに強めます(なぜ愛着に悩むのはN型ばかりなのか)。
「連絡したら迷惑かもしれない」という予想は、連絡してみないと否定されません。連絡を控えるほど、その予想は正しいまま残り続けます。これは連絡が減るときに何が起きているかで扱った構造と同じです。
③ 内向を「向いていない」と受け取ってしまうから
数字を見て「やっぱり自分は恋愛に向いていない」と感じた人がいると思います。ですが、この集計から言えるのはそこではありません。
そもそも、内向的であることと、愛着が回避型であることは別の話です。前者は電池の持ち方、後者は防衛の設定で、原因も対処も違います。この2つの見分け方は内向型と回避型愛着の違いにまとめました。
恐れ回避型が多いということは、近づきたい気持ちがある人が多いということです。回避型(近づきたい気持ちが薄い)ではなく、恐れ回避型(近づきたいのに怖い)が最多だった。求めていないのではなく、求め方で詰まっている状態です。

この数字を自分に当てはめるときの注意
タイプ別の平均は、あくまで平均です。3つだけ補足させてください。
① タイプ内のばらつきのほうが大きい。同じINFJでも恐れ回避型の人と安定型の人がいます。表の数字は「そのタイプの人がこうなる」ではなく「そのタイプにはこの傾向の人が多い」です。相手のMBTIから愛着を当てにいくのは、精度が足りません。
② 愛着スタイルは変わる。MBTIの傾向は比較的動きませんが、愛着スタイルは関係の中で更新されます。安定した相手と長く過ごすと、不安も回避も下がっていきます。今の数字は今の状態であって、生まれつきの割り当てではありません。
③ 自己申告のデータである。この統計は当サイトの診断の回答をそのまま集計したものです。学術調査ではなく、回答者の層にも偏りがあります(診断を受けにくる時点で、自分の関係に何か引っかかりがある人が多いはずです)。傾向を見るには足りますが、断定には使えません。
性格の側からもう一段掘るなら、MBTIの4文字ではなくビッグファイブの因子で見たほうが精度が出ます。5因子のうちどれが愛着に効いていたかはビッグ5と愛着スタイルで、愛着と性格因子の全体像は実測データまとめで扱っています。
自分がどこにいるのかは、64タイプ診断で不安と回避の2つのスコアとして出せます。MBTIの4文字だけでは、この記事の話は自分に当てはめられません。
内向型が、まずやってみるといいこと
恐れ回避型の詰まりは、性格を変えなくてもほどけます。効くのは「求める回数を増やす」ことではなく、求めたあとに何が返ってきたかを、ちゃんと記録することです。
小さく求めて、結果を見る。大きな要求は失敗のダメージが大きいので、断られても平気な大きさから始めます。「この店に行きたい」「今日は電話したい」程度で構いません。重要なのは要求そのものではなく、断られなかったという事実を1つずつ積むことです。
返ってこなかったときの解釈を、1つに決めない。返信が遅いとき、内向型は「嫌われた」に一直線で着地しがちです。他の説明を3つ書き出してから判断する、というだけで、反応の速度がかなり落ち着きます。
接点を1本増やす。相手が1人しかいない状態は、その1人の反応が全部になります。友人でも趣味でも構わないので、関係の本数を増やすと、1本あたりの重みが下がります。これがいちばん効きます。
関連して、恐れ回避型の回復と愛着タイプ別に多いMBTIもあわせて読むと、この記事の話がつながります。
よくある質問
Q. 内向型は恋愛に向いていないということですか?
違います。最多だったのは回避型ではなく恐れ回避型でした。回避型は近づきたい気持ちそのものが薄いタイプですが、恐れ回避型は近づきたい気持ちがあるうえで怖さが勝っている状態です。つまり内向型に多いのは「求めていない人」ではなく「求め方で詰まっている人」です。詰まりは経験の積み方でほどけます。
Q. MBTIが内向型でも、愛着が安定型の人はいますか?
います。内向型でも安定型はおよそ5人に1人です。表に出ているのは「最多がどれか」であって「全員がそうなる」ではありません。同じタイプの中の個人差のほうが、タイプ間の差より大きく出ています。自分の位置を知るには、MBTIの4文字ではなく不安と回避のスコアを直接測ってください。
Q. なぜT/F(思考/感情)は関係しなかったのですか?
感情の強さと、関係が揺れたときの反応が別のものだからです。T/Fが表すのは判断の基準をどこに置くかであり、相手に見捨てられる予感が湧くかどうかとは経路が違います。実際、思考型でも見捨てられ不安が高い人は珍しくありません。愛着に効いていたのは、判断の癖ではなく人との接点の量を決める軸のほうでした。
Q. 相手のMBTIから、愛着スタイルを予想できますか?
予想の精度は高くありません。内向型なら恐れ回避型が最多とはいえ、その割合は半数前後で、残りは別のスタイルです。相手を知るなら、タイプではなく行動を見てください。連絡が途切れたときにどう動くか、近づかれたときに一度引くか、機嫌が悪いときに話すか黙るか。この3つのほうが情報量があります。
Q. 外向型のほうが幸せということですか?
この集計からは言えません。測っているのは満足度ではなく、関係が揺れたときの反応の型です。安定型は揺れにくいだけで、悩まないわけでも関係が長続きするわけでもありません。また外向型は接点が多いぶん、一つひとつの関係が浅くなりやすいという別の課題を抱えることがあります。
Q. この統計はどうやって集めたものですか?
当サイトの64タイプ診断の回答を、個人が特定できない形で集計したものです。母数は27,909件で、回答が増えるたびに数字は自動で更新されます。学術調査ではなく、回答者の層にも偏りがあります。診断を受けにくる時点で自分の関係に引っかかりがある人が多いため、恐れ回避型の割合は一般人口より高く出ている可能性があります。
まとめ
- MBTI4軸のうち、愛着スタイルに効いていたのは内向・外向の1本だけ(差29.6pt)
- 内向8タイプは全部が恐れ回避型で最多、外向8タイプは全部が安定型で最多
- 効いている理由は性格の優劣ではなく、接点の量。接点が少ないと1つの関係が重くなる
- 内向型に多いのは「求めない人」ではなく「求め方で詰まっている人」
- 次の一歩:自分の不安と回避を測る/恐れ回避型の恋愛/愛着タイプ別に多いMBTI
※ 本記事の統計は当サイトの診断データ(27,909件)に基づく傾向であり、学術調査ではありません。回答が増えるたびに自動で更新されます。